このページは脳神経内科における診療と教育活動への取り組みについてお知らせしています。脳神経内科で扱う病気について詳しく知りたい方、脳神経内科に受診を希望される方は、北大病院の診療案内をご覧下さい。
医療におけるNeurologyは欧米においては歴史的にも精神科、脳神経外科と並んで、神経疾患医療を担う基幹分野として発展し、その地位は世界的にも確立しています。Neurologyに相当する邦訳は“神経科”ですが、我が国ではこの名称が精神・神経科として浸透していたので、神経内科という診療科名のもとに発展してきました。日本神経学会では1975年6月に第1回日本神経学会認定医試験を行なって以来、神経内科専門医を育成して我が国の臨床神経学発展に中心的役割を担ってきました。しかしながら、心療内科や精神科と混同されることが多くあること、脳卒中や認知症などの有病率の高い疾患を診療する診療科であることを広く知っていただいていないことなどを理由に、2018年3月に日本神経学会から神経内科から脳神経内科への標榜科名変更の推奨がございました(https://www.neurology-jp.org/news/change_name.html)。この標榜科名変更により、脳と神経の疾患を内科的に診療する科であることがわかりやすくなると期待されています。また、世間一般によく知られている脳神経外科との対比になる内科であることの位置づけも明確になると考えられています。
脳神経内科では、脳と脊髄(中枢神経系)、末梢神経、末梢神経筋接合部、骨格筋における機能的・器質的疾患を幅広く診療しています。対象となる疾患の原因や種類も多彩です。いわゆる“Common Disease”である脳血管障害、てんかん、認知症、頭痛などは無論のこと、内科疾患、脊髄・脊柱疾患、感染症、中毒に伴う様々な神経障害についても関連診療科と協力して診療しています。
神経領域のスペシャリストとして、急性脳神経疾患の診断と治療、難治性神経疾患の診断、慢性神経疾患の療養支援、医療福祉制度の活用など、専門性の高い知識と対応が求められます。最近では治療しながら社会で働いている患者さんも増えています。神経疾患医療には医師のみならず、コメディカル、行政など多くの人々が係っています。脳神経内科医には多くの専門分野が有ります。特に診療においては、疾病診断や局在診断のエキスパートとして、全身管理のできる内科医として、チーム医療の一員として、神経疾患の急性期から慢性期の在宅医療まで対応できる専門医としての役割に期待されています。
新しい治療法の導入、治験への参加、関連する診療領域における専門医の育成に取り組んでいます。新しい知識と技術は北大病院で学んだ若者を介して、道内各地の病院へ伝えられています。以下に、その取り組みの例を挙げてみました。
薬物コントロールの難しい進行期パーキンソン病、不随意運動を対象とした治療法です。脳神経内科では脳神経外科と協力してDBS療法を行なっています。周術期は脳神経外科医が、その後は脳神経内科医が引き継いでコントローラーを操作して最適な状態で治療管理に努めています。
http://www.huhp.hokudai.ac.jp/hotnews/files/00000100/00000130/DBS.pdf
パーキンソン病の患者さんで、今までの治療では症状の日内変動を改善することができない場合に実施することがある治療法です。手術で胃瘻を作り持続的に小腸(空腸)にドパミンの原料であるレボドパ・カルビドパを専用ポンプで持続的に投与します。当院では消化器内科と協力してLCIG療法を行っています。御家族のサポートも必要な治療法です。
薬物治療の困難な強い下肢痙縮に対して、脳神経外科と協力してITB療法を行なっています。
http://www.huhp.hokudai.ac.jp/hotnews/files/00000100/00000130/ITB.pdf
顔面痙攣、眼瞼痙攣など局所の不随意運動や痙縮に対してボトックス療法を行なっています。
遺伝性疾患に悩む患者・家族のために遺伝カウンセリング体制の整備と専門医育成に参加しています。北大病院中央診療部門として組織されています。
https://www.huhp.hokudai.ac.jp/center_section/rinshoidenshi/
てんかん診療に携っている小児科、精神科、脳神経外科、脳神経内科の4科が協力して、てんかんの集学的治療と専門医育成を目指して中央診療部門に新たに開設されました。
http://www.huhp.hokudai.ac.jp//hotnews/detail/00001056.html
専用のホームページも御参照下さい 。
http://epilepsy_hokudai.umin.ne.jp/index.html
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