代表者挨拶
ご挨拶
本ホームページにアクセスいただきまして、ありがとうございます。
わが国は超高齢社会となり、認知症患者数はしばらく増加傾向にあることが推定され、65歳以上のおよそ15%が軽度認知障害および認知症の状態にあるとも言われています。日本政府は平成27年に「認知施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」を提示し、令和元年に「認知症施策推進大綱」を閣議決定していましたが、ついに令和5年に「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が制定されるに至りました。このような施策がうちだされていることが示すように認知症患者数の増加とその対策は喫緊の課題と言えます。さらに北海道においては、就業者における65歳以上が占める割合が全国トップクラスであることから、北海道の社会基盤を持続可能とするために、認知症性疾患の予防(未病の治療)が絶対的に必要です。
このような社会ニーズに対し、この北海道大学認知症共同研究プロジェクト拠点は「認知症を予防・早期発見・診断・治療・ケア・病理診断までシームレスに連携する認知症研究の拠点」を本学に確立することを目的とし、また、本学が掲げる『持続可能社会の実現に向けた世界トップレベル研究推進・社会実装』の中で認知症研究に関連した取り組みは未だなされていなかっためこのような取組の必要性が高かったことから、令和3年度に設置されました。従来、個別に進められてきた認知症研究を統合すること、さらに「予防と共生」の視点も加えて、ITやAIなどの最新技術を駆使し、地域ネットワークを構築し、さらに、量子技術とニューロモジュレーション技術を含む革新的な視点をAMEDムーンショットプロジェクトから加えて研究を進捗させています。本学の究極の目的は社会と人間の幸福の実現ですが、本研究プロジェクト拠点の取組は高齢化の中で未曾有の増加を見せる認知症患者の幸福のみならず、それを支える家族や社会の幸福の実現にとって重要であると考えています。本研究プロジェクト拠点が実施する革新的な方法から、地域を支える社会の実現までを有機的に連携させた総合科学領域はこれまでになく、本学の研究基盤になるとともに社会実装を意識した新たな大学の在り方を示すことができるものと自負しています。さらに、開発される新規技術の特許ライセンスなどを基盤に経済的に持続可能な総合的研究治療を実施する拠点となるので若手人材育成、産学連携から新規産業の創出が達成されることを目指しています。
このホームページをご覧になり、本プロジェクト拠点に興味を持った方がおられましたら、是非各研究室または本HPに記載のある事務局の連絡先まで遠慮なく御連絡ください。たくさんの共同研究を発展させることができることを心から願っております。どうぞよろしく御願い申し上げます。
令和7年10月吉日
北海道大学認知症共同研究プロジェクト拠点
代表 矢部一郎(北海道大学大学院医学研究院神経病態学分野神経内科学 教授)
