2013年5月から2年半ほど、釧路労災病院で神経内科医として働いてきました。地域唯一の神経内科医常勤病院で、二十歳年上の部長と二人三脚で、パーキンソン病や脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症などの変性疾患、てんかんなどの機能疾患、脳炎、髄膜炎などの感染性疾患などを一手に引き受け、診療しておりました。時に、無力感にさいなまれる事もありましたが、神経内科専門医として、地域の医療を支えている実感、誇りを持って働くことが出来ました。
外来、病棟業務の傍ら、小脳失調、パーキンソン病の患者さんの歩行解析研究を行い、2016年3月に学位を取得しました。中卒の学歴ながら、大統領となった、ボリビアのモラレス大統領は「人生という大学で学んだ」という言を残しておりますが、私自身は患者さんの側で学び、文字通り、患者さんの側を歩みながら、学位を取得したことを誇りに思います。
大学に戻り、現在外来、病棟の患者さんを診療する日々です。釧路にいるときはとても頼りにされて、やりがいがある、と思っていましたが、大学に戻ると戻るで、同年代、同じ視点でディスカッションできる先生が周囲にいて、とてもいい刺激になっています。
医局に属することで、いろいろな環境を経験することが出来、楽しみながら10年目を迎えられております。当科での研修、自信を持ってお勧めします。ともに、北海道の神経内科医療を担っていきましょう。
白井 慎一
私はまず北海道大学病院での1年間の研修を行いました。大学病院では一人ひとりの患者様の診療にじっくりと時間をかけ、その過程で神経診察、検査所見の解釈、診断などについて多くの指導をいただきました。神経内科の疾患は非常に多彩ですが、診断に至る過程で神経学的診察がもっとも重要な要素の一つでありますので、時間をかけて神経学的診察を学ぶことは大変勉強になりました。
現在は関連病院で研修を行っておりますが、関連病院では外来・病棟を担当します。多くの患者を担当し、一般的な神経疾患から非常に珍しい神経疾患まで幅広く担当することができます。本で読んだことがあっても、一度も見たことのない疾患の診断は非常に難しいことが多いため、このように多くの症例を経験できるのが、関連病院での研修の最大のメリットだと思います。
また、残念ながら北海道の地域医療においては、まだまだ医師が不足している状態であり、病気を抱えながらも診断がつかずに生活している患者様がたくさんいらっしゃいます。そのような方々の診断・治療することによって、少しでも療養・生活のサポートをしていくことは非常にやりがいのある仕事だと感じています。
神経内科疾患は診断・診療が難しいことも多いですが、大学病院、関連病院ともに指導医が充実しており、多くのサポートを受けることができます。また、学会発表や研究の機会も多く、臨床を中心にしたい方、研究を中心にしたい方どちらにもお勧めできる研修になっていると思います。
上床 尚
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