神経内科では脳・脊髄・末梢神経・神経筋接合部・筋などが障害される様々な疾患の診療を行っており、適切な診断のための神経診察・局在診断の能力が必要とされます。また、近年、神経内科疾患の治療法が次々と開発されており、これまで治療ができないかった変性疾患や遺伝性疾患の治療が可能になってきており、また、治療選択肢が限られていた神経免疫疾患などの治療選択肢も増えてきています。以前は神経診察や画像診断に基づいた診断が多かったですが、遺伝学的検査や自己抗体の検索なども診断に要するようになっています。そのため、神経内科診療においては、最新の知識を常にアップデートしていくことが必要となります。そのため北海道大学病院神経内科および関連施設には必ず神経内科専門医・指導医が常在しており、後期研修では常に上級医と相談しながら、診療や知識のアップデートを行えるシステムを構築しています。
神経内科では、脳・脊髄・末梢神経・神経筋接合部・筋などが障害されるさまざまな疾患の診療を行っています。近年では、神経内科領域の治療法が次々と開発されており、これまで治療が困難とされていた変性疾患や遺伝性疾患にも対応可能になってきました。また、治療選択肢が限られていた神経免疫疾患においても、治療の幅が広がっています。
これらの疾患に対して適切な診断を行うためには、神経診察や局在診断の能力が求められます。以前は、主に神経診察や画像診断に基づいて診断を行っていましたが、現在では遺伝学的検査や自己抗体の検索なども診断に欠かせない要素となっています。また、新しい疾患概念も次々に提唱されており、神経内科診療においては、常に最新の知識をアップデートし続けることが求められます。
北海道大学病院神経内科および関連施設には神経内科専門医・指導医が常駐しており、後期研修においては、上級医と相談しながら、知識の習得とアップデートを行いながら診療を行える体制を整えています。
また、神経内科専門医を取得するためには、内科専門医を有することが求められております。内科専門医試験受験のためには、認定施設での一定期間の研修、症例登録、症例レポートの提出が求められており、専攻科として脳神経内科研修を早期に開始するには、初期研修から内科領域を効率的に履修することを薦めています。詳しく知りたい方は、是非、ご相談ください。
研修は日本内科学会教育認定施設および日本神経学会教育認定施設で行います。道内基幹病院脳神経内科の殆どは、この2つの学会から教育施設として認定されています。北大病院卒後臨床研修センターでは複数の研修プログラムを用意していますので参照してください(https://clinical-training-center.huhp.hokudai.ac.jp/senior-resident/programs/)。もちろん、北大病院以外の施設で初期研修した後期研修医も大いに歓迎しています。
北大病院脳神経内科での研修には以下5点の特徴があります。
神経内科専門医を取得した後は、基幹病院脳神経内科に勤務する、大学で研究に専念する、脳神経内科のsubspecialty領域のエキスパートを目指す、留学する、など多様な選択肢を用意しています。
北大病院外来棟の3階にあります。3~5診察室体制で、スタッフと専門医を取得した医員が担当しています。北海道大学病院内および他院からの紹介患者を診療しています。
年間延べ受診者数 14,012人
年間新患者数 712人
1日平均外来数 59人
北大病院の4-2病棟に20床に、6-2病棟に3床の病床を有し、共通床なども利用しながら、常に20-30例ほどの入院患者の診療を行っています。病棟診療はチーフレジデントを中心として若手の神経内科専攻医・神経内科専門医で行っています。北海道大学病院神経内科では変性疾患、自己免疫性神経疾患、筋疾患など幅広い疾患の診断・治療を行っておるため、神経内科疾患を幅広く経験でき、疾患を選ばずに神経内科疾患全般の診療能力を高めることができます。また、深部能刺激療法、終夜脳波検査、アルツハイマー型認知症に対する抗体製剤投与など限られた施設でのみ可能な治療や検査も学ぶことができます。研修医は指導医のもとで診療を行い、神経内科医として必須の技術である神経診察に基づく診断技術を学び、更に画像所見の解釈、脳波の判読、電気生理学的検査、筋生検・末梢神経生検及び生検組織の病理学を学びます。貴重な症例に出会った場合には論文での症例報告の指導も積極的に行っております。
抄読会 | 毎週火曜日の朝 |
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教授回診 | 火曜日午前 |
その他 | 症例検討会、リサーチミーティング、神経疾患症例CPCが適宜開催されます。また、日本神経病理学会北海道地方会も年1回開催され、神経病理についても学ぶことができます。基礎系と臨床系の脳科学専攻分野が共同で、ニューロサイエンス談話会を開催しています。 |
ボトックス療法 | 顔面痙攣、眼瞼痙攣、痙性斜頸などの不随意運動に対して、ボトックスの局所療法を行っています。 |
バクロフェン髄注療法(ITB) | 脳神経外科と共同で、下肢痙縮に対し、バクロフェン髄注療法を行っています。 |
北海道大学神経内科では、筋生検検体の凍結標本を作成し、大学院生が中心となり、病理専門医とディスカッションを行いながら筋病理診断を行っています。北海道大学病院や北海道内の関連施設で施行された年間50-60件の筋検体の病理診断を行い、筋病理診断の基礎を学びます。また、筋病理診断した症例を基幹病院の神経内科医とともにオンラインカンファレンスで発表して意見交換することによって、新しい知見や稀少な症例を共有しています。
日時: 毎週月曜日 16:00より
場所: 病院地下1階MRI読影室
参加: 放射線診断科(神経放射線学)、脳神経内科、脳神経外科、他
北大病院において神経疾患診療に携わっている三科を中心として、他科・関連施設からの参加者も随時交えて毎週、開催しています。脳神経内科の診療対象疾患に加えて、腫瘍、脳血管障害、奇形、外傷など多彩な疾患について放射線診断学を学ぶことができます。画像診断を通じて診療の意見交換も活発です。このカンファレンスは北大病院における神経疾患診療の水準を維持する研鑽の場として、重要な役割を担っています。
脳神経内科の研修は北海道大学病院のみでなく、札幌市内や北海道内各地の病院でも行います。当教室出身の指導医が常勤する関連病院には、総合病院である旭川赤十字病院、 釧路労災病院、 帯広厚生病院、 市立函館病院、北海道医療センター、市立札幌病院 などがあります。これらの病院はいずれも地域の基幹病院であり、それぞれの地域の神経内科診療の中心的役割を担っています。また、その他に神経内科単科の病院である北海道脳神経内科病院、さっぽろ神経内科病院などにも当教室出身の指導医が勤務しており、研修を行うことができます。脳神経内科医を目指す専攻医は、大学病院、日本神経学会教育施設・教育関連施設として認定されている施設で受けます。いずれの病院でも豊富な症例数を経験することになり、神経内科診療での大きな自信を得ることができます。北海道大学神経内科では上記の他に、北見赤十字病院、市立稚内病院、江別市立病院、苫小牧市立病院に出張医を派遣しており、神経疾患の地域医療を支援しています。
北海道大学神経内科では、学会発表も積極的に行っており、毎年全国学会や各学会の北海道地方会、国際学会で多くの発表をしています。また、神経内科領域でもっとも大きい学会である神経学会総会では、毎年専攻医の知識を競う「レジデントトーナメント」が開催されており、北海道大学神経内科も毎年参加し、優秀な成績を収めています。
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